2011年 10月 11日
ガメラ 2011 ~ 監督・特技監督・脚本家 襲来。。。
平成版ガメラの製作スタッフ 金子修介監督、樋口真嗣特技監督、脚本伊藤和典氏を
お招きして行われた『ガメラ2 レギオン襲来』の上映会&トークショーに行って来ました!!
初日の8日は金子監督がまず登壇。
『何分15年も前の作品なので・・・』とわざわざ当時の制作日誌を持参していらっしゃいました。
オファーがあった当初から2本の脚本が出来ていたそうすが、どちらの本も“小さき勇者たち~”
のようなどちらかというと子供向けのコンセプトだったそうです。
しかしもっと大人向けというか本格的な特撮作品を考えていた監督は伊藤氏に脚本を依頼、
で、出来上がったものが平成三部作といわれる傑作群になったそうです♪
自衛隊の全面協力で自衛隊が“自衛隊”として登場することにより
非常にリアリティのあるシーンが次々と展開されますが空自から戦闘機の墜落
は“絶対にNG”というお達しだったそうで(陸自は何でもOKだったとか?!(笑))
有楽町マリオンに空自のF15が撃墜されて突っ込むというようなシーンを考えていたそうですが
許可が下りず、なら米軍の戦闘機なら大丈夫なんじゃないか?と打診したら
「例え米軍機でも国内を飛行するようなことがあれば我々はスクランブルをかけます!!」と
キッパリと云われたそうでそれも実現しなかったそうです(苦笑)。
ガメラ2の主演・水野美紀さんの思い出やいろいろな撮影秘話等が時間の許す限り披露されました。
この日はヒロイン・草薙浅黄の友人・雪乃としてガメラⅠ・Ⅱの2作に出演された
女優の坂野友香さんがスペシャルゲストとしていらっしゃり、当時の撮影裏話や監督との想いでなどを話して下さいました。
当時“絶叫シーン”が苦手だったそうですが、役者として出来ないとは言いたくなかったから(笑)、
生意気にも“演技論”を盾にして芝居をこなしたけど、自分の未熟さを解っていたので
なんと当時から一度も自分が出演した2本は見られなかった、と申し訳なさそうに
告白されていました♪
今回我々と一緒に出演依頼初めて作品をご覧になったそうです♪(;^_^A
当時の撮影の様子を身振り手振りを交えて話して下さり、ロケ先でスケジュールが押して
撮影が無くなった日は、喜び勇んで他の出演者と食事やカラオケに行った。。。など
なかなか面白い話がいろいろ披露されました(笑)。
坂野さん、なかなかチャーミングな方でした(^_-)-☆
翌日曜日は、特技監督の樋口真嗣氏と脚本の伊藤和典氏をお迎えして行われました♪
お二人の作品参加については、伊藤氏は金子監督から電話で依頼があったそうで
『怪獣映画をやるんだけど、「ガメラ」なんです・・・・』と非常に申し訳なさそうな感じで
金子監督から依頼があったと仰られていました(笑)。
伊藤氏も『ガメラかぁ~』と一瞬考えたそうですが(笑)、ここで断ればこの先いつ怪獣物を
書けるか分からないかも?と判断し参加を決断したそうです。
『とにかくあの時はあふれるようにアイデアが浮かんで来た。。。』
と懐かしそうに仰っていました。
金子監督も同じようなことを仰っていたんですが、怪獣物として一つ下のランクにガメラを
置いていたお二人に対し真っ向から溢れる愛情を持ってぶつかったのが樋口監督でした!!
当時まだまだ駆け出しだった樋口監督は、制作の話を聞きつけ何が何でも参加したい、
特撮をやりたい!!とあらゆる手段を講じて(笑)、自分を売り込んだと回顧されていました。。。
自分で(特撮も)撮りたがっていた金子監督、ウルトラシリーズの重鎮・佐川和夫監督が
特撮を撮るという噂もあったし、何よりまだほとんど無名の自分をどうアピールしてチャンスを
掴むかと考えた末、伊藤氏のプッシュを取り付ければ何とかなるんじゃないかと
普段は絶対に使わない“お願いビーム”を沢山放ったと仰ってました(笑)。
もっとも伊藤氏は最初から樋口監督にやらせれば面白いものになるんじゃないかと考えていたそうで
おそらく自然な流れだったんだろうと思いますし、樋口監督がやったからこそ傑作に仕上がった
んだと思います!!
私は恥ずかしながらTVで最初にガメラ3を見たんですが、渋谷駅が破壊されるシーンを見て
度肝を抜かれ、思わず画面にすり寄って『日本にもこんな凄い特撮があったんだ?!』と驚愕し
見終わって直ぐにTSUTAYAをハシゴし“1”だけあったので借りてきて、
“2”はレンタル待ちを我慢出来ずわざわざDVDを買いました(;^_^A
それくらい感動したことを今でも覚えています。。。
特撮に関しては低予算だったために止む無く“1”の時は東宝ビルトにオープンセットを組み
天候がダメなときはスタジオ内での撮影をし、ギャオスの夕日バックの東京タワーのカットは
1週間(夕日を)待ったんだそうです!?
『特撮の撮影には自然光はもちろんいいんだけど、雨が降ったときのことを考えると
雨=撮影中止、ではスケジュールも予算も厳しい・・・』
樋口監督は様々に「理想と現実のはざま」で葛藤されていたようです。。。
“2”以降はビルトでウルトラマンを撮るようになってしまったため、大映スタジオに舞台を
移したけどオープンが無いので、近所の日活撮影所の駐車場を借りて撮影所を行き来しながら
撮影したと仰っていらっしゃいました。
この頃って日活前の道をしょっちゅう仕事で通ってたんで、実はロケ中とか知らずに
通ってたんじゃないかなぁ~っと今更ながら思いました。
伊藤氏の理論的な解説による脚本のお話は非常に解りやすく、脚本家の仕事は
1つは、もちろんいい本を書くこと、2つめは素敵なセリフを散りばめること、
そして3つめはスタッフのモチベーションを上げること。
言葉は正確じゃないけど、こんなニュワンスの事を仰っていました♪
『博士と新聞記者は絶対に出さない!!』と決めていたという伊藤氏。
理由は書くと長くなるからあえて省略しますが、まぁいわゆる特撮物にありがちな博士役を
女性鳥類学者や科学館の女性学芸員といったつまりは“女性”にしたいうところがミソなようで、
“美少女好き”を自認する金子監督のモチベーションはこうして保たれたようです(笑)。
トークショーが始まってすぐ樋口監督が金子監督に向けて
『(俺らが来てるのに)今日は野郎二人だから、来ない!!」ってのは
どう云うことョ?!』
と言って場内を沸かせたことは言うまでもありません!(爆)
金子監督、樋口監督、伊藤さん、そして坂野さん、楽しい時間を有難う御座いました。
ガメラ3も近いうちに上映会を開くということみたいですので是非また楽しいお話を
聞かせて下さい!その時は是非とも三人揃っての登壇をお願い致します!!
有難う御座いました(^_-)-☆