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ウルトラホークにおける成田亨のデザインとその造形

今回はちょっとディープに♪
前回紹介した『バンダイHDMシリーズ』。

ウルトラホークにおける成田亨のデザインとその造形_b0087512_18564293.jpg
私は素直に 『この価格でよく出来てるなぁ~』と思った。
大量生産ゆえの傷や部品取り付けの歪み、あるいは塗装やマーキングのズレは仕方がないと思う。それでも実に綺麗な作りだ!って感心していた。

そしてブログに記事をアップし沢山の方々からコメントを頂いた。

いつも大変お世話になっている我が師匠、ウルトラセブンvintageの管理人さんからもコメントを頂いたのだが、よく仕上がっている、並べて飾ると壮観だ!との言葉の他にこんな一文が添えられていた・・・。

『ただ…ね、成田デザインを理解してない。 サラリーマン造型師がCADで造り上げた製品なのだろうな、と・・・』

ウルトラセブンに対する愛情が人の何倍も強い我が師匠は、愛情が深い分、中途半歩な造型等には非常に厳しい批評をされる!今回もたぶん師匠の御眼鏡には叶わないんだろうなぁ~とはなんとなく想像していたが(笑)、イマイチその言葉の意味が理解できなかった(;^_^A


一昨日たまたまお逢いするチャンスがあったので、言葉の真意を理解すべく、どう云うことなのか詳しく伺った♪


ウルトラホークにおける成田亨のデザインとその造形_b0087512_16114798.jpg
上記の画像をよく見ていただきたい。

左からバンダイHDMの3号、ブルマークのプラトイの3号、トイマークの3号をそれぞれ上部から撮影した画像なのだが、翼のカーブのラインをよく見比べて頂きたい!


HDM3号の翼のラインは綺麗なカーブを描いて後部までそのラインが変ることなく流れている。

一方、ブルマークとトイマークの翼のラインは前部が鋭角的なカーブと云うかストレートなラインを描きながら後方へ行くにつれカーブが掛った流れになっている。
師匠曰く 『ホーク3号の翼のラインは(HDMのような)一続きの弧のラインではない。トイマークのラインは多少強調しすぎの感もあるが微妙なストレートのラインから後方へ弧を描いて流れている・・・』と仰るのだ!!


う~ん、正直驚いた!?
今の今までず~っとHDMのような“まぁ~るい”ラインがホーク3号の翼だと思っていた!!たぶん『3号描いてみて?』って云われればペンをすーっと弧を描くように描いたと思う♪

残念ながら私が持っている書籍等ではそれを証明する決定的な写真がないのであれだが、講談社の写真集に写っている物の中に比較的判り易い写真があったので下に貼ってみた。

ウルトラホークにおける成田亨のデザインとその造形_b0087512_1612543.jpg
ちょっと判りづらいが、そう云われれば翼のラインが師匠の仰るとおりのような感じがする!!



そしてもう一つ決定的に違う所があると師匠は仰った。
それはホーク1号のγ号のコクピット下の面構成が違うと云うのだ!?
ウルトラホークにおける成田亨のデザインとその造形_b0087512_16133184.jpg
ピンクの線で囲った部分♪

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左がHDMのγ号、中央はかなり前に発売された同じバンダイ製の食玩の1号、そして右側はトイマークの1号。


トイマークのγ号の面構成は3号同様、多少大袈裟であるとは仰っていたけど、β号との接続部分に向かって若干下向きに△の面がもう一枚あることが重要なのだ!!っと云うのだ。

よ~く見ていただければ判ると思うが、HDMのそれはスーッとした1枚の面しかない!?

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上の画像は比較的最近発売された『ウルトラ超兵器大図鑑』と云う本に掲載されているイラストなのだが、1号のイラストをよく見ると明らかにもう一面あることがわかる!

う~~~ん、これも云われるまで判らなかった・・・ていうか気が付かなかった(;^_^A
ただ、前回のブログで1号の画像をアップするのにトイマークの1号と同じようなアングルで狙ったんだけどどんな風に角度を変えても同じような画が撮れなかった?!

なんとなぁ~く、HDMの1号は薄っぺらいなぁ~とは思ったのだが、その時は単純に縮尺の差で雰囲気が違うものだとばかり思っていたのだが、まさかそんな細かい面構成の違いによるものだとは思いもしなかった・・・(^_^;)

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ブルマァクのプラトイのホーク1号だってよく見るとちゃんともう一面、面があるのがわかる!!

『これこそが成田デザインなのだ!!』
と師匠は語っておられた。


つまりは、モデルを作る“作り手”がどこまで成田亨氏がデザインした物を“理解”しているかいないかだと。。。

サラリーマン造型氏が云々と云うのはそういうことなのだ!!



正直、いままで師匠の様々な既発の造形品に対する辛辣なコメントを『造る方もそれなりに頑張って造っているんだろうから、(多少似てなくても)そんなに酷評しなくても・・・』って思っていたのだが(汗)、今回漸く酷評の裏にある真意を理解する事が出来た!!!


買い手側の思いは様々である。
私のようにただ好きで多少のノスタルジックな思いからそれを求める者。師匠のように思い入れが強い分“ちゃんとした物”を求める人々・・・。


いずれにしても製品として世に送り出す以上、造り手はきちんと勉強し理解して、そして再現に真剣に取り組むべきである、と改めて思った、と同時に私ももっともっと深く知りたいと思い、またウルトラセブンと云う作品がますます好きになった(笑)。


何でも極めれば・・・“深い”(笑)。

そして師匠への尊敬の念が改めて強くなった事は言うまでもない!!
∠(^O^)
by heroes-cafe | 2007-09-17 19:09 | ULTRASEVEN
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