さようならピラミッド校舎~学習院大学目白キャンパス~

ウルトラセブン第29話『ひとりぼっちの地球人』に京南大学という設定でピラミッド型の建物が登場します。
宮様もお通いになられた学習院大学の目白キャンパスにある四角錘の建造物、通称『ピラ校』と呼ばれる中央教室がその舞台でした。
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昭和35年に竣工された中央教室は、当時学習院大学にある6棟の校舎の中心に学問のシンボルとして位置づけられ新築されたそうです。しかしながら建築後47年が経過し、耐震、防水、空調などあらゆる面で大掛かりな整備工事が必要となり、授業を行う教室としても今となっては不向きなことから、残念ながら取り壊しが決定したそうです。

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そこで解体を前に1月12、13日の二日間にわたり見学会が実施され、13日は29話の監督をされた満田監督をお招きしてしかも中央教室で29話の上映会が実施されるということなので仲間と行って来ました!

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上映前に監督からご挨拶がてら簡単なお話があったのですが、ロケ地として選ばれた経緯は、建物の独特な形状と学習院大は円谷一さんの母校であったことが理由だったようです。
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ロケ撮影は画面からも判るように積雪模様ですが、監督は俯瞰でお撮りになるのがお好きなそうで、そうするとどうやっても雪が映り込んでしまう・・・。ちょうど特撮班の方が遅れ気味だったのでならばと云うことでセットの方にも“雪”を降らせてしまったそうです(笑)。

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オープニング、校舎のてっぺんから鳩が飛び立つシーンは建物南東側からの撮影です。
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そして回廊のような所からカメラがゆっくりパーンしてピラ校の下部分が写りますが、これは北1号館の1階の回廊からの撮影だと思います。当時のピラ校の左手に見える校舎は旧本部棟と呼ばれていた建物だそうですが、平成5年に建て替えられ現在は東2号館と呼ばれています。
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続いてソガ隊員のフィアンセ・南部冴子が通路から出てくるシーン、まず歩いている足だけが写りますが、これは北から南に通っている通路を東側から撮ったと思われます。
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続いて画面に登場するシーン、これは南側の出入り口から撮影したものです。エンディングも同じですね♪
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続いてダンにポインターで送ってもらったソガがダンに向かって手を振るシーンですが、ポインターをピラ校の南側、南2号館前に止め、西1号館を背にして撮ったものです。
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その後、雪の残る木立の中をソガと冴子が駆け寄る俯瞰のシーンですが、これはさすがにロケ地の特定は出来ませんでしたが、この後に登場するシーンの撮影場所やロケの都合からいって北1号館の裏?側、ピラ校と反対側向き正門側にある木立群の雰囲気が非常に似ていて、また撮影もし易いので、恐らくココであろうと思われます。
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そしてテラスのようなところから冴子に用向きを説明し、ピラ校から出てくる仁羽教授と一の宮を待ち構えるシーンですが、これは前出の木立を撮ったであろう建物、ピラ校の北側にある北一号館の三階から撮影したものだと思われます。
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この建物は同じような場所が2,3,4階と三フロアーあるのですが、画面からの見える角度と、柱にある建物の目地を埋めるシール(キャプチャー画像の冴子の右側の柱の上部、丸部分)の位置が合致するのは3階の柱だけなので、3階からの撮影だと思います。
ただ現在の3階にはトイレが増設されていて残念ながら当時と同じアングルでは撮影することは出来ませんでしたので、隣に並べた現在の画像は2階のテラスからのものです(;^_^A
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現地で持参したキャプチャー画像を手に、2階から4階を何度も往復しましたが(笑)、機材のセッティングの手間等を考えると全てのシーンを3階で済ませたと考えるのが妥当だと思うのですが、正直イマイチ解明できませんでした♪
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次は赤いオープンカーに乗った冴子が一の宮に声を掛けるシーンですが、これは北1号館とピラ校の間を西から東に向かって撮影したと思われます。
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一の宮を乗せた冴子の車が建物の下を潜って疾走するシーンは、西1号館前の通路を北に向かい先程の北一号館の1階部分を抜けていくように撮影されました。

その後、冴子が一の宮に警備隊のポインターが出口で待っている旨を告げると急にスピードを上げ停車していたポインターを置き去りにするシーンになりますが、現在の目白キャンパスにはあれだけの広さのある場所はないので、これはどこで撮影されたのかは分からず仕舞いでした・・・(泣)。

以上がピラミッド校舎を中心にして撮られたシーンだと思います。
(※オープニング、早大の大隈講堂の後に出てくる校舎は北1号館北側と西1号館のようです)

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さてこの独特の形状をした建造物ですが、設計は前川國男氏と云う戦後の建築界リードしてきた巨匠だそうで、国立国会図書館や京都会館、東京文化会館、現・東京海上日動ビルディング本館などの設計を手掛けた方だそうです。
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ピラミッド校舎はまさにピラミッドのような綺麗な正四角形の四角錘に見えますが実は違いました。当日展示してあった平面図の画像を見ていただくと分かると思いますが、頂点が北東側にずれています。
当時は映像からわかるようにコンクリートの打ち放しでしたが、現在は塗装されています。校舎の周りも当時はもっと広かったようですが、昔に比べ植え込みが増えたような気がします。
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内部は北西の角に教壇があり南東側に段々状に机と席がしつらえてありました。興味を引いたのが天上からぶら下げて取り付けてあるリング状の照明設備ですがこれはヨーロッパの教会の照明をイメージしたものだそうです!?私は『未知との遭遇』を思い浮かべました(笑)。
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内壁も大胆に打ち放しのままの柱で独特な形状をしています♪
床は木目風の石だと思ったのですが、帰ってきて画像をよく見ると中心に向かってひび割れた物が多数見られるので、ひょっとすると角材をタイルのように並べて床を作ったのかもしれません。触って確認してこなかったので良く判りません(;^_^A
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画像がないのですが北1号館の4階から屋上に上がる階段は螺旋状の階段でした。またラストに登場するソガとダンが一の宮を懐古するシーンで、ソガがR状の不思議な形をしたベンチに座っていますが、これは設計者の前川氏がコンクリートによる“デザインの可能性”を追求した結果なんだそうです。また建設当時ピラミッドが打ち放しだったのはコンクリートの持つ“美しさ”を求めたんだとか・・・

巨匠の仕事とは凡人にはなかなか理解し難いものです・・・(苦笑)。


映像中、ウルトラセブンとプロテ星人が対峙し、こともあろうにセブンがピラ校を壊してしまいます!?(爆)。しかし戦い終わって画面が切り替わるとピラ校は元通りになっています。(突っ込みどころですネ(^_-)-☆)上映中も笑が起きました!!

上映後にもう一度満田監督のお話と質問コーナーがあったのですが、そのシーンについてウルトラマンやセブンなどのは一瞬にして建造物等を直してしまう力を持ち合わせているんだと仰って会場を再び笑いの渦にして下さいました♪さすが(^○^)

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また小さなお子さんから『どの作品が一番好きか?』との可愛らしい質問が飛び出したのですが、監督は『ボク、兄弟はいる?(ちょうどその子には弟が居た様で親御さんと参加されていた)じゃぁ、お母さんに“ボクと弟とどっちが好き?”って聞いてごらん!?恐らくお母さんはどっちも可愛い、どっちかなんて決められない!って答えると思うんだよ♪それと同じでどの作品もみんな好きなんだよ!!』っと実に明快でウィットに富んだ回答をして下さいました♪
こういう素敵なハートの持ち主が、我々が愛してやまないウルトラ作品群を作ってきてくださったんだと改めて思ったと同時に、残念ながら解体されるピラミッド校舎、そして旧砧社屋・・怪獣倉庫などなど、どんどん“特撮の聖地”が蔑ろにされていく現状に憤りと寂しさを感じました。

おわり。

追記:急に思い出した!?(笑)
満田監督は南部冴子役の北林早苗さんとは年賀状のやりとりが今でもあるそうで、今回のイベントのチラシも北林さんにお送りしたんだそうです。ひょっとして・・・なんてことを仰っていらっしゃいました♪♪
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by heroes-cafe | 2008-01-14 16:51 | SEICHI★JUNREI
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