飯島敏宏監督、金城哲夫を語る~リアル“ウルトラの揺り籠” その2

昨日、先週お邪魔したミニシアターへ再び行って来ました。

今回は4回にわたって金城哲夫特集が組まれ今日はその最終日。
ゲストは飯島敏宏監督でした♪

監督は開口一番『金城哲夫の評価があまりにも低すぎる・・・』と仰いながらトークがスタートしました。

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飯島監督が金城さんと初めて出会ったのは、TBSの演出部だったそうです。

ご存知の通り監督は『千束北男』のペンネームで脚本を書かれていますが、その昔ドラマは生放送だったので絶対に穴を空ける訳に行かない!でも中には放送当日になって『本が書けない』などと言ってくる脚本家などが居た・・・そんなことも平気であった時代だったそうですが、ある時監督が『月曜日の男』と云うドラマの脚本を書いていたとき“つぶちゃん(円谷一さん)”のところに打ち合わせに来ていた金城さんがす~っと寄って来て『僕にも今度(月曜日の男を)書かせて下さい!!』なんて云って来たのが最初の出会いだったと仰っていらっしゃいました。


今回はウルトラマンの『恐怖のルート87』『まぼろしの雪山』、セブンから『空間X脱出』『零下140度の対決』の4本が上映され飯島監督も一緒にご覧になったのですが、監督はこうして改めて金城作品を見てみて思ったのは『金ちゃんのウルトラマンは「ウルトラQ」を引きずっている』と・・・。

監督が仰った言葉が正確に思い出せないのですが(;^_^A、つまりは枠の中に非日常な物語がちりばめられている、と。それはウルトラQが怪獣路線で行く前のWooやアンバランスの頃に打ち出されていたミステリー調やファンタジーあるいはメルヘンチックな要素が色濃く脚本の中に反映されていると言うことでした。そして『最後にナレーションで上手く片付けちゃう!(笑)』

怪獣に少年の心が乗り移った、とか、怪獣は母親の魂が云々・・で最後に『これは○○な世界のお話・・・』。つまりは何でもありの“金城ワールド”と云うことなのでしょうか(笑)。

セブンでも『光の国から来たから寒さに弱い、って誰が決めたのか?!(笑)』みたいなことを監督は突っ込んでいらっしゃいましたが、ひょっとするとこの辺の事は大伴昌司氏の影響などがあるのかもしれませんね。


上原正三さんの著書『ウルトラマン島唄』の中にも書かれていましたが金城さんは怪獣の名前からでも脚本が書けると云う類稀な才能をお持ちだったそうです!

飯島監督は日常に怪獣が現れたらどうなるか?と言った目線で本を書いていたと仰っしゃり、細かく人物設定等を考察してから脚本を書かれたいたそうなので、つまりは金城さんとは全く対極のような関係にあった訳で、監督ご自身も『(金ちゃんとは)水と油の関係』と言ってました(笑)。もっともこれは作品に対するスタンスの違いの話しで、人間関係がどうのと言うのではありません♪

共作となっているウルトラQの『SOS富士山』や『2020年の挑戦』などは骨子を金城さんがある程度考えて来て、細かい内容等は任せてもらったと仰っていました。
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SOS~では“岩石怪獣”でと云うので、『じゃぁ~“山”だろう!で、山なら“富士山”!!』みたいなところから脚本にしたり、2020年~は円谷英二監督が『液体人間』をやって欲しいと云ってると、つぶちゃんが云ってきて、そうしたら中野(稔さん)が『こんな風に出来る!』って
画を見せるから、じゃぁ~っと云うことで。『私の本はこれとこれとこれを絡めて“三点セット”でみたいな風にして書いて行った・・・』と監督はご自分の作品について解説してくださいました。


また金城さんは沖縄出身のせいか、脚本でよく『言葉遣い』がおかしいところがあったりしたそうで、はっきり云ってしまうと日本語の使い方が間違っていたりしたらしく『東京ではこういう言い方をしないョ』っと遠まわしに伝えて直させた事があったそうです。

沖縄へ帰ってからは東京、つまりは“ヤマトンチュ”言葉に慣れ親しんでしまったせいで今度は逆に“ウチナー”言葉がおかしくなってしまったようで、そこらへんのことで相当悩んだんではないかとも仰っていました。

それとウルトラマンでは『脚本・金城/監督・飯島』という作品が一本もないのですが、その辺の事情について監督は『脚本の書ける監督なら、必ず本をいじってくる!いじられるんなら最初(脚本の段階)から任せてしまおう♪みたいな感じだったんじゃないかな?』と仰っていました。



金城さんは“出たがり金ちゃん♪”と揶揄されていたくらい度々チョイ役で出演されていますが、演技はなかなかのものだったそうです。今回上映された『零下~』ではアンヌ隊員に抱かれて息絶える隊員役を見事に演じてらっしゃいます!!(^○^)




ウルトラQ、マン、セブンの頃は、飯島監督はまったくお酒が飲めず、金城さんとは脚本の話ししかしなかったそうで、今はお飲みになられるので『もっと色々な話が出来たのに勿体無い事をした・・・』と悔しがっていらっしゃいました。


沖縄へ帰郷した金城さんがラジオのパーソナリティを務めてらっしゃった時、ヘリからの中継で金城さんの声が放送に乗ったことがあったそうで、溌剌とした声を生放送の電波から聞いたのが元気な金城さんを知る最後だったそうです・・・。



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今回こうして金城哲夫さんについて関係者の方々から当時のお話を生で伺い、また全部ではありませんが幾つかの書籍を読んでみて、初めて金城さんがどんな風に初期のウルトラに関わっていたのかがよ~く判ってきました(;^_^A。

希望に燃えながら企画から携わったWooやアンバランスでのSF作家クラブのお歴々との出会いと路線変更による決別。暗礁に乗り上げたウルトラQを救った飯島監督、そしてその後に続くウルトラマンでの飯島監督が果たした功績と、さらにウルトラセブンにて昇華させた金城さんの手腕・・・。

ただ『なぜ沖縄へ帰ったのか?帰らなければならなかったのか??』と云う辺りがまだイマイチ理解出来ていません。

兄と慕う円谷一さんは何故帰郷を止められなかったのか?
結果的に無謀な飲酒がもとで命を落とした一さんの死に激昂した金城さんが、どうして自身も酒がもとで命を絶つことになってしまったのか・・・。

帰郷に関しては『マイティジャック』の失敗が直接的な原因のようですが、まだまだ読んでみたい本が沢山ありますので、いずれそこら辺のことや沖縄へ帰ってからの仕事振りや死に至るまでのことなどおいおい判って行くかな・・・と思っております。


初期ウルトラさえあれば新作は要らない!と仰る方も多いようですが、改めて脚本や監督さんに留意しながらDVDを見返して見たいと思いました!!

 
『飯島監督、今回も貴重なお話をご披露下さり本当に有難うございましたm(__)m
監督ご自身も「残された者の使命」だと、金城さんの功績を伝えて行きたいと仰っていらっしゃいましたが、どうかいつまでもお元気でまた楽しいお話を聞かせて下さい!!』


おわり。


※現在発売中のコミック雑誌『リュウ・8月号』に飯島監督のインタビューが掲載されています。
来月号にも後編として掲載があるようですので興味のある方は是非ご一読を♪
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Commented by こーじ at 2008-07-08 23:35 x
 そういえば金城さんと飯島監督は、Qで共作はあっても単独は
なかったですね。
 基本的に‘セブン暗殺計画’などの藤川桂介と組む事がが多
かったです。
 ちょうど、この記事がアップされた7月7日はセブンがウルトラ警備隊からマグネリュームエネルギーを注入されて復活した日ですね。
 その監督が飯島さんですから、偶然でしょうか。
 
Commented by heroes-cafe at 2008-07-09 21:47
>こーじさん
藤川さんは飯島監督の慶應義塾の後輩で、藤川さんの同期には大伴昌司氏がいたそうです!旅館に篭って本を書き出すと書き終わるまで食べ物を口にしないそうで倒れられたことがあったっと仰っていました(笑)。

“~暗殺計画”は七夕の日放映だったのですか?!
そういえば設定ではガッツの頭はスケルトンで脳ミソが見えるような
造形を考えていたそうですね♪
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by heroes-cafe | 2008-07-07 12:27 | HERO☆JUNREI | Comments(2)
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